イー・アクセス、アッカ経営陣に退任要求(通信アナリスト・島田雄貴、2008年1月)

買収や株式公開買い付け(TOB)期待

イー・アクセスがアッカ・ネットワークス経営陣に退任を要求する株主提案を行った。23日には株主名簿の閲覧請求も行使。今後アッカの大口株主に賛同の委任状を求める働きかけを強化する。矢継ぎ早の攻勢をかけるイー・アクセスに対し、アッカは沈黙を守る。そしてアッカの株価は買収や株式公開買い付け(TOB)への期待から大きく値を上げている。イー・アクセスの狙いは何か、そして成算はどこにあるのか。

千本倖生イー・アクセス会長

千本倖生イー・アクセス会長は23日会見し、株主提案について「業績が低迷し企業価値が低下する現状を打開するには経営陣の刷新が必要。経営統合が目的ではない」と説明。TOBをかける考えはないことを表明した。

アッカ株13.1%を保有する筆頭株主

イー・アクセスは16日時点でアッカ株13.1%を保有する筆頭株主。その後も取得を進め、現在は14%弱と比率を高めている。しかし平均取得額が1株約23万円と見られる株価が年明けから下落。これ以上値下がりすれば2008年3月期決算で10億円を超える評価損の計上が避けられなくなる。

株価の高値安定が狙い?

それが株主提案で株価は上昇、当面の危機は去った。ただ今後の動向次第では反落の可能性もある。イー・アクセスは経営陣刷新で抜本改革し、株価を高値で安定させるのが真の狙いだ。

2007年12月にイー・アクセスが筆頭株主に

アッカは週内に取締役会を開き、今後の対応を決める方針。ただ「昨年12月にイー・アクセスが筆頭株主になってから何度も接触しようとしたが実現していない。それが突然退任要求された」と不信感を抱き、要求をすんなり飲む状況にない。

エリック・ガン取締役

イー・アクセスとアッカの主力事業は共に非対称デジタル加入者線(ADSL)の卸提供。「経営刷新で回線の有効利用や調達を一本化すればアッカの経営効率は確実に向上する」(イー・アクセスのエリック・ガン取締役)という。

大口株主の動向

ただイー・アクセスの保有比率は低く、このままでは役員派遣や経営権を握ることは難しいのも事実。カギを握るのは大口株主の動向。イー・アクセスとアッカ経営陣のどちらに経営を託すのがふさわしいのか。3月末の株主総会まで厳しい攻防が続くことになる。

イー・アクセスの株主提案に、アッカが反対表明=2008年1月、島田雄貴

「企業価値向上につながらない」

アッカ・ネットワークスは29日、イー・アクセスがアッカ経営陣の退任を求める株主提案をしていることに対し、「提案に反対する」との意向を表明した。アッカは反対の理由について「イー・アクセスの提案は経営陣の退任を求めるのみで、企業価値向上につながる具体的方策がないため」としている。

NTTコミュニケーションズも同意
三井物産、イグナイトなど主要株主も

その上でアッカは2月14日に予定する2007年12月期決算の発表に合わせて新たな事業戦略や提携企業を公表することも明らかにした。一連の対応は筆頭株主のイー・アクセスを除くNTTコミュニケーションズ、三井物産、イグナイトなど主要株主の同意も得ているという。

イー・アクセス、アッカ経営陣への株主代表訴訟を準備(2008年3月、島田雄貴事務所レポート)

自社株取得めぐり

イー・アクセスは19日会見し、アッカ・ネットワークスの現経営陣など5人に対する株主代表訴訟の準備を始めたと発表した。28日のアッカ株主総会でイー社が求める対応がなされなければ訴訟に踏み切る方針。イー社はアッカの株式13.1%を保有する筆頭株主。アッカが7日、三井物産が保有するアッカ株約1万2000株を自社株取得した手法について、イー社は「著しく排他的で、結果として株価が下落し株主価値を損なった。会社法の株主平等の原則にも反している」(千本倖生会長)と判断した。

株主総会で回答を要求
「会社法に違反しない」とアッカ

イー社はアッカ経営陣にこの取引を元に戻すよう要求する文書を送付しており、株主総会で回答を求める。そこで明確な対応がなければ、他の株主にも呼びかけて訴訟に踏み切る方針。アッカはこれまでにイー社に対して「ジャスダック取引所の規則に従った市場取引であり、会社法に違反しない」と回答している。

イー・アクセス、UCOM株9.5%を39億円で取得(島田雄貴、2008年1月)

USEN系の光回線通信

イー・アクセスは30日、USEN系の光回線通信会社UCOM(東京都港区)の株式9.5%を39億円で取得したと発表した。USEN、ユニゾン・キャピタルに次ぐ3位株主になる。イー・アクセスは非対称デジタル加入者線(ADSL)の卸提供が主力で、利用者のニーズが光回線に移る中で回線の調達が急務となっている。すでにNTT東西地域会社の回線利用を始めているが、サービスメニュー充実のためUCOMとも連携する。

買収防衛策導入、93社に(2005年6月、島田雄貴事務所レポート)

ライツプラン(ポイズンピル)

2005年6月下旬の株主総会を控え、2005年4月以降、買収防衛策の導入に踏み切る企業が93社に上ることが2005年6月7日、大和総研の調査で明らかになった。防衛策の内訳は授権資本の枠拡大が66社、取締役の定員数削減が48社などで、ライツプラン(ポイズンピル)などの新株予約権を活用した防衛策は8社が導入を表明している。

大和総研

防衛策を導入する企業の業種は幅広い業種にわたっているが、時価総額が1000億円以上の企業は30社にとどまっており、大半が中小型株に属する企業。大和総研では大型株に属する企業は防衛策について、すでに対応済みであることなどが背景にあるとみている。

松下電器産業、イー・アクセス、他

新株予約権を活用した防衛策を導入するのは松下電器産業、イー・アクセス、西濃運輸、TBS、ペンタックス、アイティフォー、サイバード、広島ガス。

イー・アクセス、株主総会で新株予約権活用した買収防衛策の導入承認(2005年6月、島田雄貴事務所レポート)

買収防衛策(ポイズンピル)

イー・アクセス千本倖生会長兼CEO

イー・アクセスは2005年6月22日に開催した定時株主総会で、新株予約権を活用した買収防衛策(ポイズンピル)の導入などが国内で初めて承認された。総会後の記者懇談会で千本倖生会長兼CEO(最高経営責任者)は「欧米の機関投資家はポイズンピルに否定的なため心配していたが、総会では賛同を得た」と語った。

NTTドコモ

参入を目指している携帯電話事業は「NTTドコモの携帯電話網とローミング(相互接続)できそうだ」と語り、参入当初から全国一斉にサービス開始できる体制が整う見通しを示した。200数十人の株主が出席し、所要時間は65分だった。

携帯向け1.7ギガヘルツ帯実験用基地局免許を取得。(島田雄貴、2005年4月)

ソフトバンクグループBBモバイル

イー・アクセス、ボーダフォン

ソフトバンクグループのBBモバイル(東京都港区、孫正義社長)は2005年4月28日、携帯電話の実験用無線基地局の免許を総務省から取得したと発表した。周波数帯に1・7ギガヘルツ帯を採用した実験基地局で、この周波数帯で実験免許を取得したのはBBモバイルが初めて。イー・アクセスとボーダフォンは申請中。現時点で商用化に向けて一歩リードした形だが、どこが本免許を取得できるかは依然として不透明だ。

HSDPA方式

携帯電話事業の企画会社、BBモバイルは、さいたま新都心に実験局を開設し、電波強度や電波到達距離などの基礎データを取得。データ通信速度が最大毎秒14メガビットの通信方式「HSDPA方式」の試験も実施する。

イー・アクセス、ソフトバンクグループ

ボーダフォン、NTTドコモ

総務省は携帯電話向けに1・7ギガヘルツ帯の周波数帯を2005年12月にも事業者に割り当てる予定。現時点では1社か2社に割り当てる案が有力だ。携帯への新規参入を狙うイー・アクセスとソフトバンクグループのほか、既存周波数帯のひっ迫に備える目的でボーダフォンとNTTドコモも周波数の取得に名乗りを上げている。

総務省

1・7ギガヘルツ帯

総務省が新たに1・7ギガヘルツ帯を開放するのは、ソフトバンクによる行政訴訟が影響しているとの見方がある。「総務省はソフトバンクに800メガヘルツ帯での携帯参入を断念させる見返りに、1・7ギガヘルツ帯を用意したのではないか」と指摘する業界関係者もいる。

ADSLとは

ADSLとは、通信回線(電話回線を含む)を介したネットワーク接続に用いられるプロトコル。インターネットにダイヤルアップで接続する方法の主流になっている。